るるる と ららら

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【観劇感想】パレード

ぼんじゅ!

色素が薄いために虹彩が光に弱く、人一倍眩しいのがダメ、初原です。

日差しが強い日は、家の中から外を眺めることすら無理ぃ。

 

 

初日開いてから、とにかくいい評判しか聞かない、でもとにかく重くてえげつなくて観るのしんどいと話題の「パレード」、観て来ました!

 

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評判通り、凄まじい重さ。いや、重いと言うより、エグい。

人間のいちばん汚い、でもどうしようもない、誰にも解決できない、そんな闇を見せつけられた感じがしました。

 

舞台開けると、奥に大きな大きな木が。

全編通してずっとそこにいるのですが、いつでもすごい存在感というか、まるでこのお話の顛末を最初から最後まで、ずーっと見つめているかのようでした。

そして、大量の、色とりどりの紙吹雪。

そういう演出があるってことは知っていましたが、まさか初っ端からあんながっつり降って来るとは!しかもその後も何回も降って来るし……どんだけ量あるんだ……?

役者さんが歩いて踏む度に、本当に落ち葉のように、さくっさくっと音がすることがとっても印象的でした。

 

音楽も素晴らしい。

演出や物語のせいもあるのですが、何せ、次から次へと怒涛のように立て続けで音楽が鳴っていくので、拍手するのを忘れていました。

誰かのソロより、大勢が歌う曲が多かったのも、その一因かも。

曲の間に、場面が挟まって進行していく、ということも多かったので、その部分のスピード感もすごかったです。

個人的には、冒頭とラストの「ふるさとの赤い丘(The Old Red Hils of Home)」とレオとルシールの「まだ終わりじゃない(This Is Not Over Yet)」が、すごく目と耳に残ってます。

 

 

では、役者さんごとに。

ちょっとあんまりにも話が深い上に、ベースが実話なので、何て言ったらいいかわからず、いつもより簡素な文章になってしまうかもしれません。

感じてることはいっぱいあるんですけれど。降って来い、語彙力。

 

 

レオ・フランク/石丸乾二さん

馬鹿みたいに真面目で、堅物で、頑固。本当は優しい人なんだろうけれど、意固地な割りには、表で何か大きいことをするような勇気はなく、臆病でもあり。

石丸さんはジキハイ以来でしたが、また新しいキャラクターが観られたなぁと思いました。

歌声はさすがとしか言いようがない!素晴らしい!

今回も、あの、劇場全体に響き渡るような、けれど決して威圧的ではなく、聴いている方の胸を打つ、美しい歌声を堪能させていただきました~~。

 

レオに関しては、もうただただ不憫というか……。

そりゃ性格に難はあったかもしれないけれど、悪いことなんか何一つしていない。ひたすらに犠牲者。

ただただ、場所と時と状況が、運悪かったとしか言いようがありません。

最後にあの場所へ連れて来られた直後の、諦めのような絶望のような、あの表情が忘れられません。

個人的には、ユダヤ人差別は黒人差別より複雑で厄介な感じがしてます、あくまで個人的には、ですが。

 

 

ルシール・フランク/堀内敬子さん

もちろんお名前は知っていましたし、元四季という経歴も知っていたのですが、舞台では初めましてでした。

容姿もお声も、そして歌声も、どこまでもピュアで愛らしい……!

白いドレス着てる時なんか、ドレスと一緒に全身輝いて見えましたよ!?

 

最初はレオの言う通り、育ちが良くて世間知らずな、いいとこの箱入り娘って感じはしましたが、でもすっからかんってわけじゃないんだなとすぐ気付きました。

この人は強い。

この作品に出てくる人たちの中で、誰よりも強いかもしれない。

それも、決して強がっているとか、弱さを見せないようにしているとかではなく、本心からの強さで、強烈な逆風に立ち向かっていける。

だからこそ、最後の姿に胸が苦しくなりました。

パレードを背にしながら、「絶対歌わない、絶対泣かない、絶対負けない」という意志のこもった目に、いっぱい涙を溜めて立っている姿。凄まじかったです。

 

 

ブリット・クレイグ/武田真治さん

“ネタ”を追い求める記者さん。

“ダメな記者”感満載で、とにかくチャラいというか、胡散臭いというか(笑)

人が事件の話してる時、大抵少し遠いところにいて、にやにやしながらノートにメモしてるんですよねぇ。

ルシールと仲良くなったみたいだけれど、でも決してレオの無罪のために動く、とかではない。

まぁでも、「それが仕事なんだから」って言われたら、「そ、そうですよね……ご飯食べるためだもんね……」って思っちゃう自分の甘さ(笑)

 

「ビッグ・ニュース(Real Big News)」は、すごくぱーっとしてて、カラフルな紙吹雪ともマッチしてて、明るい場面でした!

ただ、ちょっと歌声がオケに負けてる感じがした、かな……?

 

 

トム・ワトソン/新納慎也さん

途中までわからなかったのですが、過激派の反ユダヤ主義者だったんですね。

メアリーのお葬式シーンでの異質感がすごかったです。

気持ち悪すぎて、真犯人なのかと思っちゃいました(笑)

あとスタイルが……飛び抜けて脚長くありません?かっこええ……!

 

「正義の鉄槌(Hammer of Justice)」、かっこいい曲!

でも途中の高音がきつそう……あれは単純に音域の限界って感じですかね、下手ってわけではなく。

あと、レオのラストに出て来ないのが意外でした。え、あなたここにいないの……!?

 

 

ニュート・リー、老兵/安崎求さん

誰かと思ったわ!!!!!(言い方)

スウィーニーの時も思ったんですけど、安崎さんって、見る度に誰かわからん……すごい七変化する方だなぁと思います。

ニュートの怯えた演技も引き込まれましたし、老兵さんの最初のソロやレオのラストでの威圧感もすごかったです。

 

 

ミセス・フェイガン/未来優希さん

殺されたメアリーのママ。

もうとにかく、お葬式が辛い。

曲中何度も「わからない」「理解できない」みたいな歌詞が繰り返されるんですけれど、ママの表情が正にそれ。

わーわー泣き喚くわけでも、呪いの言葉を叫ぶわけでもなく、ただ、瞬きもせずに棺を虚ろに見つめている、その姿に胸が締め付けられました。

そして、裁判のシーン。

「あの子はきっと許すわ」「あの子が許すなら、私も許すわ」と、「ああ、母親が言いそうなことだなぁ」と思っていたら……「その、ユダヤ人を!!!!」

背筋が凍りました。

 

 

フランキー/小野田龍之介さん

歌うっま!!!!!!!!!

アリスでも観ていたはずなんですけれど、その時はこんなに感じなかったなぁ……いや、ほんとに冒頭から素晴らしい歌声。

さすが、四季に客演されてるだけありますね!WSSのトニーだっけ?

 

大好きだったメアリーを殺されて、「レオが犯人だ」と、大人たちから一度提示されてしまったものだから、もうレオが憎くて憎くてたまらない。

子供ゆえの純粋さというか、正義感というか。

もし彼が大人だったら、観客全員に憎まれる人物だったんじゃないか、と思う立ち位置。

まさか最後の台、君が蹴り飛ばすとは思わなかった……。

彼が道を誤らず、本当に幸せな未来へ歩んで行けるのか、めっちゃ心配です。

 

 

メアリー・フェイガン/莉奈さん

リアルエンジェルか!?!?!?!?!?

とにかくかわいい、ひたすらかわいい、めっちゃくちゃかわいい!!←

溌剌としてて、いつも笑ってて、ちょっとのことじゃ悩んだりしなさそう。彼女に会った人は誰でも、彼女を好きにならずにはいられないだろうなぁ。

だからこそ、その後の展開を考えると苦しいですね……。

 

ちょっと引っかかったのは、棺のサイズ。明らかに、小さいよ(笑)

莉奈ちゃんモデルさんで、そもそもが背高い人なんだから、そこで急にリアル13歳サイズ出されても、「いや、莉奈ちゃん、それじゃ入らないから!」ってなるよ(笑)

 

 

ジム・コンリー/坂元健児さん

どんな脇役でも、表に出た瞬間に全部もってく男、坂元健児。←

すごい存在感だし、すごい迫力だし、何かもうとにかく、すごい(語彙力)

ダミ声の凄まじさ、圧倒されました。

 

とにかくこいつは、たーだのクズ野郎で……(笑)

他の人は、まぁ頑張ればどこか落としどころを見つけられるんですけれど、こいつだけは一切許す気になれませんね。

作中ではそういった描写はありませんでしたが、結局、真犯人こいつですし。

 

……ところでサカケンさん、最近悪役多くない?元祖シンバなのに?(笑)

 

 

ローン判事/藤木孝さん

結局この人は、味方なのか敵なのか……最後まで謎な人でした。

まぁ、中立の立場であるべき判事さんとしては、それが正しい在り方なのかもしれませんが。

でも釣りの場面とかあったし、やっぱり敵なのかなぁ。

 

カンパニー最年長さんでしょうか?

でもスタイルもいいし、風格はさすがだし、素敵な佇まいのおじい様だな~~と見とれてしまいました。

 

 

ヒュー・ドーシー/石川禅さん

最近学びつつあること、「禅さんがオールバックにしたら悪役」←

 

自分は初めましてが、エリザのフランツだったので、素顔の柔らかい感じも相まって、どうしても禅さんは「いい人」な役付きのイメージが強いのですが、やっぱり悪役もさすがですね……!

裁判で、ボロボロのメアリーの服を見せて力説していたのも、別にメアリーに同情しているとか心から憐れんでいるとかじゃなくて、目的は「レオを有罪にすること」なんだろうな、と思うと、ぞっとしました。

 

 

スレイトン知事/岡本健一さん

出てきたところでは、「こいつが敵側のボスか……」と思いましたが、途中からは味方になってくれる、というびっくりな展開。

にしても、この状況で、しかもその立場で、「レオ・フランクは犯人じゃないかもしれない」と思えて、更には行動にうつせるって、素晴らしい人ですよね。

当然、バッシングの対象になるでしょうし、一歩間違えれば、レオのようになる危険性だってありますし。

それに心から賛同して着いて来た奥さん(秋園美緒さん)も、素晴らしい。

 

けれど、民衆は一切なびいてくれない。

「洪水の時、お前は?(Where Wil You Stand When the Flood Comes?)」で、知事が大声張り上げてしゃべり続けているのを、民衆の歌が見事なまでにかき消していて、虚しかったです。

 

 

決して楽しい話ではないですし、「誰にでもおすすめできる!」ってものでもないですけれど、機会があるのであれば、是非たくさんの方に観ていただきたいです。

キャストみなさんの実力もさることながら、演出や音楽、すべてが素晴らしいし、ショッキングでした。

 

差別って、今でもいろんなところで、大小問わず存在し続けている。

自分は、ほとんど差別的感覚をもたない人間だと思っているけれど、どこかで小さな差別をしているかもしれないし、「自分は差別とかはしません!」って言うこと自体が、そもそも差別的発想があるからなのかも。

追及し始めるとキリがないですね。

 

自分は頭悪いので、あんまり賢いことは言えないんですが、ただ、差別、この世から早くなくなるといいな。